鹿児島国際大学3教授への懲戒退職処分への抗議
2002年4月14日 学会表明

3月末に本学会会員である馬頭忠治さんを含む3名の教授が鹿児島国際大学から一方的に「懲戒退職」を通告されるという異常な事件が起こりました。
本学会では事態の重大性を鑑み、4月13日~14日開催された運営委員会議で緊急議題としてこの問題を取り上げ、運営委員会名で以下のような抗議・要請文を理事長、学長に送付することを決定しました。
なお、この事件に関しては「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」が結成され、支援・抗議活動を行っています。事件の詳細に関しては同連絡会のHPをご覧ください。

要請文

鹿児島国際大学3教授に対する「懲戒退職処分」の撤回を要請する

学校法人津曲学園理事長 津曲貞春殿
鹿児島国際大学長    菱山 泉殿

2002年4月14日
社会文化学会運営委員会 代表 谷 和明

 去る3月29日、学校法人津曲学園理事長・津曲貞春氏及び鹿児島国際大学長・菱山泉氏の連名で、鹿児島国際大学理事会が当社会文化学会の会員を含む経済学部の3名の教授に対する「懲戒退職処分」を決定したことが告知された。
この「処分」には、理事側の記者会見において「就業規則に抵触するというわけではない」と発言されてもいるように、その法的根拠がまったく示されていない。このような措置は、経営権限の乱暴な行使であり、一般の企業でも許されない行いである。またその理由には教官採用人事をめぐる経緯が挙げられているが、大学の教育と研究に責任を持つ教授会ですでに正式な手続き経て決定された事柄に関して、その過程と決定に直接関わったことを主な理由に教員個人に対して「懲戒退職処分」をするなどということは、大学と学問の発展を根元から掘り崩しかねない、歴史的に見ても類を見ないほどの行為である。
何よりも学問研究の発展を求める一学会として、その基盤となる学問研究の自律性、学生の教育権や教員の教学権、それを確保するための教員の身分保障を根本において否定する今回の措置は、学問と大学の将来に大きな禍根を残すものとは判断し、ここに強く抗議し、処分の撤回を要求する。