2009年度夏季研究集会
2009/7/4 大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス
テーマ:生活協同組合がデザインする社会文化-日韓国際比較の視点から
日時 2009年7月4日(土)14時~17時
会場 大阪経済法科大学 東京麻布台セミナーハウス(東京都港区麻布台1-11-5)
報告者 朴永淑(韓国女性民友会生活協同組合政策委員)
テーマ:「韓国社会と生活協同組合-女性民友会生協の経験から」
コメンテーター 中川雄一郎(明治大学)
参加費 200円(資料代)
連絡先 社会文化学会東部部会 和田 悠
日本希望製作所
東京都中央区銀座4 -14 -11 七十七ビル3F
電話・FAX:03-6410-5915
交流(懇親)会 17:30~20:00 (会費 3,000円)
※お願い
交流会は準備の都合上、参加者数を確認する必要があるため、参加希望の方は、6月30日(火)までに、下記の連絡先までEメールでお知らせください。
プロフィール
・朴永淑(パクヨンスク)さん
韓 国で、民主化運動、女性運動、環境運動などに関わり、「韓国女性民友会」事務局長、韓国女性民友会生活協同組合理事長、大統領諮問持続可能発展委員会本委 員(2006-2008)をはじめとしたさまざまな役職を歴任。現在は、韓国女性民友会生活協同組合政策委員、(財)地域財団理事などを務め、韓国におけ る生活協同組合の発展に尽力している。
・中川雄一郎さん
研究テーマ:グローバリゼーション下における非営利・協同組織の社会・経済的役割
著書:『非営利・協同システムの展開』 日本経済評論社
『社会的企業とコミュニティの再生:イギリスでの試みに学ぶ(増補版)』大月書店
『協同で再生する地域と暮らし』 日本経済評論社
『生協は21世紀に生き残れるのか:コミュニティと福祉社会のために』 大月書店
他多数
夏季研究集会のテーマ設定趣旨
2008 年度の全国大会から引き続き、2009年度の夏期研究集会は東部部会が担当します。今回の研究集会テーマは、全国大会における全体シンポジウム「近未来社 会をデザインする-社会文化の構想力」の続編とでもいうべきものです。シンポジウムで提起された問題枠組を、今回は、生活協同組合に照準を合わせ議論する ことで、考え深めたいと考えています。
現在の新自由主義的グローバリゼーションの根深さは、「民営化」「規制緩和」の名の下に、身近な市 民生活や生活世界をも市場化、商品化しようという点にあります。現在、WTO体制が推進するグローバリゼーションは、食糧や農業を商品経済に組み込むもの として展開しています。そして、利潤追求を目的とする多国籍企業が農業分野にビジネスチャンスをもとめて本格的に参入しています。地域での持続可能な農 業、食糧主権は危機に直面していると言い換えることもできます。
こうしたなかで、生産者と消費者をつなぐ「産直」の理念を掲げ、「社会的経済」の担い手であろうとしてきた、あるいはまた、さまざまな活動を通じて地域の市民文化を創出しようとしてきた生活協同組合は、その存在意義や社会的使命があらためて問われています。
新 自由主義時代のなかで、生活協同組合はいかなる近未来社会をデザインしようとしているのでしょうか。生存、生活の危機として貧困問題が再定義されている昨 今、生活協同組合の位置価はますます高まっているようにみえます。ですが、2007年に日本では生協法が改正され、生活協同組合の「企業化」の方向性も強 まっています。
こうした歴史的背景を踏まえ、本研究集会では、社会文化研究の視点から生活協同組合の課題と展望を探り、オルタナティヴとしての射程を現在において測定することが、今回の研究集会のねらいです。
報 告者は、朴永淑さん(韓国女性民友会生活協同組合政策委員)にお願いしました。現在、日本希望製作所を受入機関に、今年の8月まで日本に滞在し、日本にお ける生活協同組合に関するフィールド調査に従事されておられます。朴さんには、規模や組合員構成などの点でも大きな違いのみられる日韓の生協比較の視野を もちながら、日本での調査研究の中間報告をしていただきます。コメンテーターは、中川雄一郎(明治大学)さんです。生協に限らず、広く新自由主義時代の協 同組合再考という視角からコメントしていただけるものと期待しております。
(和田 悠)