社会文化学会第23回全国大会
2020/12/13 web開催

開催日時:2020年12月13日(日)9:30~17:30
開催方法:オンラインによるライブ型開催(zoomビデオコミュニケーションズを活用しての開催)
参加費:無料(会員・非会員共通)

参加申し込み

大会参加には事前申し込みが必要です。
下記の申し込みサイト「こくちーず」よりお申し込みください。

募集URL : https://www.kokuchpro.com/event/taikai23/
募集期間 : 12/12(土)〆切り ※募集期間を延長しました

社会文化学会第23回全国大会プログラム

自由論題(9:30~12:30)

第1室

司会:加野 泉(名古屋工業大学)

  • 報告1 中国に見るインターネット公共圏の研究―Weibo公共圏を分析対象として
    桑 艶(名古屋大学大学院学生)
  • 報告2 新型コロナウイルス流行下における危機意識―中国雲南省大理ペー族自治州鶴慶県1村落を事例とした文化人類学的検討―
    雨森 直也(大理大学民族文化研究院)

第2室

司会:篠原 眞紀子(立命館大学)

  • 報告1 新自由主義から権威主義の批判へ――M.ジェイ・日暮雅夫共編『アメリカ批判理論――新自由主義への応答』の意義
    日暮 雅夫(立命館大学)
  • 報告2 戦争映画批評の時代――岩崎昶、あるいは批評の可能性について
    大月 功雄(立命館大学大学院学生)
  • 報告3 新生児マススクリーニング対象疾患と出生前診断
    笹谷 絵里(花園大学)

第3室

司会:三原 容子(庄内地域史研究所)

  • 報告1 コロナ禍における教育機関の諸問題
    西田 喜一・鬼頭 孝佳(名古屋大学大学院学生)
  • 報告2 ゼミナール教育における「知識運用(思考力:執筆力)向上」実践の取り組み―第16回全国大会(2013年)報告以後のFD教育実践の評価と課題―
    小山 昌宏(筑紫女学園大学)
  • 報告3 塾の質保証と社会的責任―学習権に基づく考察から―
    早坂 めぐみ(秋草学園短期大学)

昼休み&交流(12:30~13:00)

総会(13:00~13:45)

全体シンポジウム(14:00~17:30)

テーマ:コロナ危機下で求められる社会文化

司会:清原 悠(東海大学)

  • 報告 1 人の喜ぶのを見て素直に喜ぶことのできる社会のために
    藤野 一夫
    (神戸大学)
  • 報告 2 コロナ危機下の恐怖とつながり
    仲田 教人
    (高崎経済大学)
  • 報告 3 人と人がともに在るということ―現場での奮闘から見えてきたもの
    南出 吉祥
    (岐阜大学)

大会シンポジウム趣旨

テーマ:コロナ危機下で求められる社会文化
大関 雅弘(四天王寺大学)

2020年11月22日現在、国内の新型コロナウィルスの死者数は1,974名、感染者数は130,179名である。世界全体では死者数は138万人、感染者数は5,819万人にのぼる。連日報道される日本各地と世界各国の死者と感染者の数に目を奪われがちであるが、その数は言うまでもなく、具体的に生命を奪われた者と日常の生活を奪われた者の数なのである。また、その一人ひとりと多くの者たちはさまざまな他者との関係を持っているのである。新自由主義の論理からすると、死者も感染者も統計上の数字であって、一定割合の犠牲のうえで次を担う人びとが「勝ち残る」ことができれば、それでよいのであろう。しかし、人間の「生」を人びとの連帯から捉える社会文化の視点からは、それは決して許されることではない。

今回の新型コロナウィルスの猛威はまだ続くであろうし、またその社会的な影響は、数年で終わるようなものではないであろう。したがって、新型コロナウィルスによってもたらされる危機について見通すことは、現時点ではかなり困難であると言わざるをえない。しかし、いま現実に起きていることをしっかり見定めて、そこからウィズ・コロナ、ポスト・コロナの方向性を探ることは、本学会が担っている社会的使命に照らして、避けることはできない。

その使命は、とりあえず次の2点から論じることができる。一つは、新型コロナウィルスによる危機の特徴が、各国における新自由主義のあり方によって異なる点である。新自由主義政策によって社会的に恵まれない層が露骨に切り捨てられたアメリカにおいて、新型コロナウィルスによる死者と感染者が圧倒的な数にのぼっていることは周知のとおりである。日本がこのまま新自由主義政策を続ければその先に何が待っているのか、その一端が示されたと言ってよいであろう。アメリカに対して、ドイツはどうであろうか。ドイツの社会文化を、本学会が当初より理論的な支柱にしてきたことは言うまでもない。このドイツの社会文化が、市民の連帯を通して、新型コロナウィルスによる危機にどのように対応したのかを検討することは、「社会文化」の意義を正面から問うことになろう。

2点目は、新型コロナウィルスによる危機に対して日本の社会文化に何が求められているのかを、具体的に検討していくことである。この春に本学会が上梓した『学生と市民のための社会文化ハンドブック』では、市民が「社会をつくる」というのはどういうことなのか、具体的な領域に即して説明した。それは、ドイツのように市民的な連帯がまだ社会的に根づいてはいないとはいえ、人と人とが結びつくことによってしか解決できない一連の問題に対する試みを提示するものであった。とはいえ、今回の新型コロナウィルスによって、本書で紹介した組織・団体は相当のダメージを受けているはずである。その状況を把握し、検討することは今後の活動にとって不可欠な作業であろう。

今年度の第23回全国大会シンポジウムは、webによって開催せざるをえない。しかし、コロナ危機下で開催されるがゆえに、そこで交わされる議論には真迫性が期待できるであろう。多くの会員のみなさんの参加を望む。

組織・問い合わせ先

大会運営組織:実行委員長:大関 雅弘(四天王寺大学)
事務局長:三宅 正伸(大阪経済法科大学)

問い合わせ先:E-mail: taikai23@japansocio-culture.com